β-Ti合金の「動的析出軟化現象」の発見に関する論文が掲載されました

マテリアル生産科学専攻 中野研究室との共同研究として実施ている,「β-Ti単結晶生体インプラント開発」の過程にて発見した,dynamic precipitation softening(動的析出軟化現象)」に関する論文がnature出版の「Scientific Report」誌に掲載されました.

これまで金属材料における析出現象は材料を硬化する方向に働くことが常識でした.しかし,βTi合金においては引張圧縮交番変形において動的にω相が析出し,かつそれにより軟化が生じるという特異な現象が見出されました.

このことは,従来概念である「βTi合金中のω相は硬い」というのは必ずしも正しくなく,特定方向へのせん断に対してはむしろ軟化を引き起こす可能性を初めて見出しました.

 

K. Hagihara, T. Nakano, M. Todai
Unusual dynamic precipitation softening induced by dislocation glide in biomedical beta-titanium alloys, 
Scientific Reports, 7 (2017), pp.8056 1-9.  (open access paper)
http://dx.doi.org/10.1038/s41598-017-08211-7